My Work
私の作品は、異世界の幻想的な空間を舞台に、自然と人間の共存や内なる自己の探求を描き、遊び心と創造性を、色彩や筆使い・素材の質感を通じて表現しています。
現在の制作の中心となっているのは、ガラス胎七宝の技法を使ったガラス絵アートです。
ガラス胎七宝とは、古代のメソポタミアやエジプトで生まれ、19世紀のアールヌーボー時代にフランスと日本で試みられた後、継承されることなく幻の技法となっていましたが、1990年代に長谷川淑子が蘇らせました。
この技法を使って試作品を作ったところ、質感や色彩など、私の世界観を面白く表現できると思いました。
この技法では、ガラスを胎(土台)にして、その上に釉薬や金属(金・銀の線や箔、鉄線など)を載せて、焼成することを何度か繰り返して制作します。
一つの作品を1回焼くのに約8時間〜10時間かかります。それを6回ほど繰り返します。温度調整の失敗やガラスの歪みのため、途中で割れてしまうということもたびたび起こります。また焼成のあと、研磨も必要なので、制作時間はかなり長くかかります。

Biography
PROFILE
岐阜県郡上八幡町と愛知県知多郡美浜町で育つ。山や川、海、畑に囲まれた自然豊かな環境の中で、のびのびとした子供時代を過ごす。
手芸洋品店を営む祖母と暮らしていた影響で、幼い頃からファッションやものづくりに親しみ、大学では服飾を専攻。裁縫やデザインを学ぶ中で、創作の原点が育まれていく。
素材を自由に組み合わせて遊んだ子供時代のおかげで、現在もボーダーなく表現をすることを楽しんでいる。旅をこよなく愛し、アジア・オーストラリア・中南米などの秘境を旅する中で、目に映る色彩や異文化に加え、風の感触、耳に残る音、そしてその土地ならではの空気の温度や湿度、匂い、それらの記憶が創作のインスピレーションとなっている。うまく説明はできないけれど、そんな感覚が今の制作を支えているように思う。
2007年より吉岡さゆり氏の絵画教室に入門し、アクリル画や油絵を本格的に描き始め、グループ展に参加。
「色使いがきれい」「線が面白い」との声を多く受け、プロの画家やデザイナーからもその感覚を評価され、創作活動への後押しを受ける。
ある展示会で作品がブティックオーナーの目に留まり、ブティック店内での初個展につながる。ファッションを学んできた背景もあり、絵をもとにしたアクセサリー制作やTシャツへのペイントも始める。キャンバスに描いていた作品を小さなブローチに落とし込み、絵画とアクセサリー・ファッションを融合させた個展の開催。初個展は、ファッションとアートの接点を模索するような新たな挑戦となった。
その後、2017年のパリのアートフェアで出会った韓国のギャラリー関係者に声をかけられたことをきっかけに、2018年以降は、韓国や香港のアートフェアに継続的に出展している。
さらに、画家である叔父の友人で七宝・ガラス造形作家の長谷川淑子氏と出会い、「あなたの絵はガラスで表現しても面白いのでは」との言葉に導かれ、工房にてガラスフュージングと七宝技法を体験。その中でまぼろしの技法と言われる「ガラス胎七宝」の魅力に惹かれ、本格的に技術を学ぶ。
現在は、絵画とガラス胎七宝を融合させた平面作品を中心に制作。現在、色彩と素材の響き合いをおもしろがっている。
創作の転機となる大きな出会い
2010年のメキシコ旅行中に出会ったメキシコの画家Marilo Carralの絵画に深く感銘を受ける。
翌年、日本を訪れていたMarilo本人と奇跡的に対面する機会に恵まれ、約8時間もの間、コップ一杯の水だけで夢中になって語り合った。夜も更け食事も忘れるほど濃密な時間を共有したこの体験は、表現者としてのあり方に大きな影響を与えるものとなった。
その後も数年おきにメキシコのMariloのアトリエを訪れ、ともに絵を描いたり、彼女の指導を受けながら、自らの表現を深める時間を重ねている。色彩の豊かさと精神性が共存する彼女自身と彼女の作品から学ぶことは多く、今の制作にもその経験が静かに息づいている。

“私の絵には、私がかつて一人旅で経験した思い出や感動を形にし、作品をみてくれる人と共有したいという願いを込めています。独特のカラフルな色使いや楽しさ、私が感じている世界を作品の中に感じ、共にその瞬間を味わっていただけたら嬉しいです”
内ヶ島幹子

Exhibitions
2025
クリエイティヴKODAWARI展(名古屋三越栄)
ART FAIR INTERNATIONAL DAEGU 2025(EXCO/大邱・韓国)
2024
サステイナブルな装い展(阪急うめだ本店/大阪)
日本七宝作家協会国際展(東京都美術館)※公募展入選
銀座3人展(STAGE銀座/東京)
個展 「内ヶ島幹子 ガラス・絵画展」(名古屋三越栄)
個展 「内ヶ島幹子ミニ額縁アートとアクセサリー展」(名古屋三越栄)
個展 「内ヶ島幹子アートワーク spring Breeze展」(ジェイアール名古屋タカシマヤ)
2023
秋の芸術アラカルト展(阪神百貨店ハローカルチャー/大阪)
Urban Fashion collection in autumn(さとうギャラリー/岡山)
“初夏を楽しむ3人展”(阪急うめだ本店/大阪)
個展 「内ヶ島幹子 ガラス×絵画・アクセサリー展」(名古屋三越栄)
2022
“初冬を楽しむ3人展”(ひよこギャラリー テンジン/福岡)
“初秋を楽しむ3人展”(阪急うめだ本店/大阪)
ザ セブントレジャーズ展 – 春を探しに(ギャラリーちいさいおうち/京都)BAMA 2022 Art Fair(釜山コンベンションセンター/韓国)
2021
4人展 “想”(GALERIE La Paix/名古屋)
個展 “Mikiko Uchigashima 展”(細村美術館/小諸沢・山形)
個展 “新呼吸グリーン展”(セレクトショップLeaf/名古屋)
2019
Affordable Art Fair Hong Kong 2019(香港コンベンション・エキシビションセンター)
Senlis Sacred Art Festival(サン・ピエール教会/センリス・フランス)
2018
Art Busan 2018(釜山コンベンションセンター/韓国)
日韓現代アート交流展(〜現在まで継続的に参加)
2017
Art Shopping Paris(Carrousel du Louvre/パリ・フランス)
個展 「はじめまして展」(セレクトショップLeaf/名古屋)
2016
Navigating the Japanese Future Exhibition(The Hive Gallery/ロサンゼルス・アメリカ)
Cafe re:Li 展示(名古屋)
2015
Onward Exhibition(The Hive Gallery/ロサンゼルス・アメリカ)
2018年〜現在:日韓現代アート交流展に継続参加
<その他>
* 2019年〜2024年:日韓現代アート交流会 日本支部長
* 2024年:国際七宝展 入選
<アクセサリー取扱・出店>
* 常設取扱店:Selectshop Ripple(愛知県江南市)
* POP UP出店:山形県内のイベント多数参加中
mu@mikikouchigashima.com